「虎ノ門ヒルズ」の現場も、職人の手がかかっている
「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」や「麻布台ヒルズ」——完成後に話題になった都内の大型施設に、株式会社杉野技巧の職人たちが取付施工で携わっている。1986年の創業以来、建築金物工事と鋼製建具工事を専門とし、大型商業施設・オフィスビル・公共施設での施工実績を積み上げてきた会社だ。アルミ・ステンレス・スチールの各パネル取付から、ルーバー・手摺・建具・チャンバーボックスの設置まで、建物の内外にわたる取付施工が守備範囲になっている。
現場の約8割は東京都23区内で、残りは埼玉・神奈川・千葉にも対応。職人は直行直帰で各現場に動き、施工管理と事務はさいたま市岩槻区の拠点が担う体制を取っている。
社会保険完備から法人医療保険まで——福利厚生の充実度
小規模な施工会社では社会保険に未加入のケースも珍しくない中、株式会社杉野技巧は雇用・労災・厚生年金・健康保険の4種を完備している。退職金制度・法人医療保険・休工保障制度まで揃えており、悪天候で現場が止まった日の収入リスクにも備えられている。未経験スタートでも月給28.7万円〜30万円以上という給与水準で、年2回の賞与も支給。2023年度の賞与社内平均は約43.1万円で、2021年度の約19.8万円から3年で大きく伸びた。
「収入面での不安がなかった分、仕事に集中できた」という感想を持つスタッフが出るのも、この制度設計があってのことだと思う。
施工精度は、図面確認と現場文化の積み重ねで生まれる
パネル取付では水平・垂直ラインの管理が仕上がりを左右するため、図面の寸法を徹底的に確認するところから施工が始まる。建具取付では気密性・断熱性・防音性に影響する箇所のため、開閉動作の確認や隙間調整まで細部を丁寧に押さえる。チャンバーボックスの取付は空調効率に直結するため、気密性の確保が最優先で進められる現場だ。こうした精度へのこだわりは、50代から70代のベテラン職人が実地で若手に伝えながら、会社の文化として根付いている。
施工範囲はスチール・アルミサッシ・カーテンウォールなど多岐にわたり、取り扱う素材や工法が豊富なため、キャリアを積むほど対応できる現場の幅が広がっていく。
有給取得率90%と、年1回社長と話せる職場の風通し
2025年の社内平均有給取得率は90%で、月平均残業時間は0.6時間。建設業界の中でこの数字を維持している背景には、スタッフ同士が協力して休みを取り合う文化がある。年1回の社長面談では、現場で抱えた悩みや困りごとをトップへ直接届けられる機会があり、風通しの良さを実感できるという声が出ている。未経験から入社して4年で現場リーダーに昇格した事例があり、資格取得の費用は全額会社負担で支援する制度も整えられている。
経験不問での採用を続けており、インドネシア出身のスタッフを新たに迎えるなど、チームの多様性も広がりつつある。学歴不問・建設未経験でも、将来的な独立を視野に入れながら技術を積める環境が用意されている。


