「製品を営業マンにする」発想で磨かれてきた板金技術
2002年の創業以来、有限会社エー・アイ・エーブラストが大切にしてきた考え方がある。「良いものを作り、製品に営業させる」——この一言が、品質への投資と技術向上を続ける原動力だ。3DCADによる設計提案、ファイバーレーザ複合機による高精度加工、TIG溶接協働ロボットと熟練職人の技術が融合した溶接工程、そして塗装まで担う系列会社「株式会社セブナ装機」との連携。一連の工程がひとつの方向性で設計されている。
「セブナ品質をみがき、つながるすべての人達と未来を彩る」という経営理念が示すように、品質の追求は取引先との関係構築に直結する。製品そのものが次の受注を呼ぶサイクルを、創業から20年以上かけて積み上げてきた会社だ。
ファイバーレーザ溶接が変えた薄板精密加工の常識
ファイバーレーザ溶接機の最大の強みは、熱影響を極力抑えた深く強固な溶け込みにある。従来の溶接では歪みが生じやすかった薄板の精密溶接でも、仕上がりが美しく整う。異種金属の接合にも対応でき、スパッタを抑制しながら高速で高精度なビードを形成するため、仕上げ工数が大幅に削減される。「導入後の加工スピードが変わった」という現場の声も、導入効果の大きさを物語っている。
ロボット溶接との使い分けが効いている点も見逃せない。量産品や長尺溶接にはTIG溶接協働ロボット、精密性や素材の特殊性が求められる場合にはファイバーレーザ——と、案件の特性に応じた選択肢を持つことが、受注の幅を広げている。
二次加工設備が守る、納品前のクオリティライン
加工・溶接が完了した後の工程に、有限会社エー・アイ・エーブラストならではの品質意識が現れる。バリ取り機「メタルエステ1000」で切断面を滑らかに仕上げ、3本ロール「SR-125Ⅱ」で高精度な円筒・曲げ加工を施す。洗浄機「ISW100V」による油分・汚れの徹底除去は、後工程の塗装品質に直接影響するため省けない工程だ。各設備が連携することで、見た目と精度を同時に担保した状態で納品できる。
系列会社「株式会社セブナ装機」が同一敷地内にあるため、塗装工程への引き渡しもスムーズだ。協力工場との連携でメッキ加工にも対応しており、板金から表面処理まで一元管理できる体制が整っている。個人的には、ここまで後工程を視野に入れた設備構成を持つ中小工場は多くないと感じた。
未経験・経験者・女性スタッフが共存する製造現場
男性7割・女性3割という人員構成のもと、現場では女性スタッフも板金加工の実務を担っている。未経験での入社は珍しくなく、「誰もが初めは未経験」という採用方針が浸透していることが、職場の雰囲気に表れている。入社後は練習用部品での研修から始まり、技術を習得した段階で製品加工に参加する段階的な育成プロセスが用意されている。
技術を教える教育者と別に、働き方・職場の悩みを受け持つメンターが存在する2名体制のサポートは、特に入社直後の不安を軽減すると評判だ。アーク溶接などの資格取得費用を補助する制度も整っており、働きながらキャリアを積み上げやすい環境が、長期定着率の高さに寄与しているという声も聞かれた。


