日中に止められない現場は、夜の時間を使って仕上げる
人の出入りが多い商業施設や、電源を落とせないオフィスでは、日中の工事が難しい。有限会社阿部電気興業所は、そうした現場で夜間の時間帯を使い、営業や業務の邪魔にならないよう施工を進めている。周囲の環境と安全に目を配りながら、限られた時間の中で配線や器具の設置を的確にまとめていくのが夜の現場の要点になる。日が落ちてからの作業は視界も限られ、昼以上に手順の確かさが問われる場面も多い。夜間でも周囲に音や光で迷惑をかけないよう、作業の進め方そのものに気を配る。夜勤には日給の1.5倍の手当を用意しており、夜間対応に相応の比重が置かれていることがそこからも読み取れる。
看板やサインの工事でも、営業後の時間に設置を合わせる段取りはよくある。昼に明るい店先を整え、夜に文字がきれいに灯るところまで確かめられるのは、配線から接続までを一社で見ているからこそだ。日中に手を動かせない現場ほど、短い時間でどこまで進めるかの読みが仕上がりを左右する。正直なところ、昼の店先と夜の灯りの両方を同じ職人が見届けられる点は、取材していて理にかなっていると感じた。
郡山駅から車で10分、県内各地へ無理なく通える距離
事務所を構えるのは郡山市富久山町久保田我妻で、郡山駅からは車でおよそ10分という近さになる。現場の大半は30分から1時間ほどで到着する福島県内に広がっており、移動の負担が軽いぶん、その日の時間を施工に充てやすい。マイカー通勤に合わせて駐車場を備え、交通費も規定の範囲で支払うなど、地元の働き手が動きやすい足回りを整えてきた。郵便番号は〒963-8071、電話は024-953-7774で、受付は朝9時から夕方18時まで、日曜を休みとしている。営業目的の電話は受けておらず、問い合わせはそのまま工事の相談として扱われる。
昼の現場と夜の現場をどちらも回すには、移動にかかる時間の短さが効いてくる。拠点が県内の中心に近いことで、昼に住宅の工事を終えてから夜の商業施設へ入るといった一日の組み立てもしやすい。昼に住宅、夜に店舗という流れでも、拠点の近さがあるから一日に無理が出にくい。同じ地域を繰り返し回るなかで、現場までの道も建物の事情も頭に入りやすくなり、段取りに無駄が出にくい。近い現場が多いことは、急な呼び出しへの動きやすさにもつながる。
住まいから工場まで、建物を選ばず電気を受け持つ
戸建てやアパートの住居、商業施設のテナント、規模の大きな工場と、関わる建物の種類は偏っていない。新築の内装配線はもちろん、設備の改修や精密な制御を担う計装工事まで引き受けるため、建物の一生のいろいろな局面で呼ばれる。LEDへの切り替えのような省エネ目的の工事も、新築と既存の両方から相談が寄せられている。住宅の一室の配線直しから、人の多い施設の夜間工事まで、現場の大小を問わず同じ看板で手がけてきた。住まいの灯りも店の看板も、同じ手が受け持つことで仕上がりの感覚がそろう。一つの建物でも、配線と照明と看板がちぐはぐにならずにまとまる。
住宅の現場で培った丁寧さは、人の目に触れる商業施設の仕上げにも活きてくる。逆に、工場のような大きな現場で鍛えた段取りの感覚は、住まいの工事を手早く進める力になる。規模の違う現場を行き来してきたことが、どの建物でも落ち着いて手を動かせる下地になっている。郡山という土地で長く現場に入ってきた積み重ねが、昼夜どちらの仕事にも表れている。代表の阿部和幸のもと、郡山市内から福島県内の現場へ、昼の工事と夜の施工を切れ目なく回している。


