鉄筋工事を軸に関東一円の建築現場を支える
マンションや大型商業施設、物流センター、ごみ処理場——有限会社創鉄が手がけてきた現場は、建物の用途も規模もさまざまだ。川口市を拠点としながら関東圏を広くカバーし、案件によっては東北地方への出張施工にも対応している。鉄筋は完成後には見えなくなる部分だが、建物の耐震性や寿命を左右する構造の要として機能する。その見えない箇所にこそ精度が求められるという認識が、同社の施工姿勢の根幹にある。
現場では鉄筋切断機や直角切断機、結束機といった専門機械を計画的に配備し、手作業だけでは到達しにくい加工精度とスピードを確保している。一級鉄筋技能士や登録鉄筋基幹技能者など有資格者が複数名在籍しており、施工と品質管理の両面を担う。個人的には、インフラ寄りの案件まで手がけている点が印象的だった。社会基盤に関わる建築物を継続して受注している事実は、発注元からの評価の厚さを物語っている。
完全能力主義がつくる現場の空気
有限会社創鉄が掲げる人事制度の柱は、年齢や学歴ではなく個々の実績と努力で処遇を決める完全能力主義だ。20代でも結果を出せば正当に評価される仕組みがあり、若手のモチベーション維持に直結している。職人の世界では「背中を見て覚えろ」式の育成がまだ根強いが、同社は段階的な教育プログラムを整え、未経験者が基礎から学べる体制を用意した。経験者に対しても技能の上積みを促すカリキュラムが組まれている。
「入社前は鉄筋を触ったこともなかったが、先輩が丁寧に教えてくれた」という声が社内から聞こえてくるという。現場作業の様子や職人の取り組みを積極的に発信しており、働くイメージを持ちやすくしている点も採用面でプラスに作用しているようだ。処遇だけでなく、日々の仕事にやりがいを感じられる環境づくりに注力している姿勢が、定着率の安定につながっている。
高所作業のリスクに向き合う安全管理の実際
鉄筋工事は高所での作業が避けられず、安全対策の質がそのまま職人の命に関わる。有限会社創鉄ではフルハーネスの装着を全現場で必須とし、各種技能講習修了者が安全指導を担当する運用を徹底している。資格を持つ職人が指導役に回ることで、形式的なルールに終わらない実効性のある管理体制を維持してきた。
作業員の配置も現場ごとに最適化しており、人数と機械のバランスを見ながら工程を組む。無理なスケジュールを避けることが結果的に品質と安全の両方を守るという考え方は、現場を長く経験してきた会社ならではの判断基準だろう。事故リスクを下げる取り組みは地味に映るが、継続的な受注を支える土台として機能している。
若手採用と技術継承で業界の先を見据える
建設業界全体が慢性的な人手不足に直面するなか、有限会社創鉄は若手職人の採用を経営戦略の中心に据えている。ベテランと若手が同じ現場で作業する環境を意図的につくり、技術の受け渡しが日常のなかで自然に進む流れを設計した。福利厚生の充実にも力を入れ、職人が長く働き続けられる条件整備を進めている。成長意欲のある人材に対しては成果に応じた報酬で応える方針を明確に打ち出した。
幅広い世代が混在する現場では、経験20年超の職人が加工の手順を実演しながら教える場面が日常的に見られるという。こうした光景は、座学だけでは伝わりにくい「手の感覚」を次の世代へつなぐうえで欠かせない。会社の成長と従業員の生活向上を同時に追いかける姿勢が、採用市場でも一定の求心力を持ち始めていると感じる関係者は少なくない。


