建設塗装を軸に10業種の許可を持つ総合建築会社
三重県津市で建築工事全般を請け負う株式会社溝口美装は、塗装工事業をはじめ土木工事業、建築工事業、解体工事業、とび・土木工事業、石工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、水道施設工事業の計10業種で三重県知事許可を取得している。防水工事や仮設足場の設置、リフォーム、さらにはごみ回収事業まで手がけており、建物に関わる困りごとをひとつの窓口に集約できる。産業廃棄物収集運搬業の許可も保有しているため、工事で発生する廃材処理まで一括して任せられる構造になっている。工種ごとに業者を手配する煩わしさがなくなるという声が利用者から目立つ。
個人的には、10業種という許可数の幅に取材時驚いた。塗装店として出発した会社がここまで領域を広げている例は、地方の同規模事業者のなかでもそう多くない。対応エリアは津市を中心に三重県内全域へ広がっており、近県からの相談にも応じている。工事全体の進行管理が一社で完結するため、現場ごとの品質のばらつきが起きにくい点も依頼側にとって見逃せない利点だろう。
平成25年創業から法人化までの歩み
株式会社溝口美装の始まりは平成25年4月、代表取締役・溝口敦氏が立ち上げた個人事業にさかのぼる。令和2年7月3日に資本金500万円で法人化を果たし、三重県津市寿町に本社を構えた。取引金融機関には百五銀行と三十三銀行が名を連ねており、地元の金融機関と継続的な関係を築きながら経営基盤を固めてきた経緯がある。創業から10年以上にわたって津市周辺の現場を回り続けてきた蓄積は、見積もり精度や段取りの速さに直結している。
営業時間は朝8時から夜19時まで、不定休で稼働しているため、仕事終わりの時間帯でも打ち合わせの調整がしやすい。支払い方法は現金振込に加え、オリコプロダクトファイナンスのリフォームローンにも対応しており、まとまった資金を用意しにくい場合でも相談できる。「ローンが使えると知って依頼を決めた」という施主の声もあり、費用面のハードルを下げる選択肢として機能しているようだ。
安全管理と専門調査を支える有資格者の厚み
有機溶剤作業主任者が5名、一般建築物石綿含有建材調査士と石綿作業主任者がそれぞれ2名——株式会社溝口美装には安全管理や専門調査の分野で必要とされる資格保有者が複数在籍する。一般塗装技能士、建築二級施工管理技士、土木二級施工管理技士も各1名ずつ現場に出ており、品質管理の実務を担っている。とくに石綿関連の資格者が複数いる点は、古い建物の改修や解体を依頼する際の安心材料になる。法令上求められる調査・届出をスムーズに進められる体制が整っているからだ。
現場では職人同士が工法や段取りについて日常的に情報を共有し、新しい技術や業界動向も積極的に取り入れていると聞く。個々の職人が自分の持ち場だけに閉じず、隣の工程まで目を配る空気感があるという。こうした現場文化は一朝一夕にできるものではなく、創業時から少人数で多業種をこなしてきた経験が土台になっているのだろう。資格の数だけでなく、それを運用する現場の空気ごと含めて評価したいと感じる利用者も多い。
ビフォーアフター公開と施工後フォローの仕組み
株式会社溝口美装は施工事例をビフォーアフター形式で公開しており、塗り替え前後の色味や劣化箇所の変化を写真で確認できる。初めて外壁塗装を検討する人にとって、仕上がりの具体的なイメージをつかめる資料になっている。職人の顔写真や経歴も紹介されているため、「どんな人が来るのか分からない」という不安を事前に解消しやすい。工事後も定期的なメンテナンス提案を行い、建物の状態を長いスパンで見守る姿勢を打ち出している。
ある施主は外壁塗装の完了後、数年経ってから防水工事の相談を同社に持ちかけたという。前回の工事内容が社内に記録として残っていたため、現地調査から見積もりまでのやり取りがスムーズだったと振り返っていた。一度の工事で関係が途切れず、建物のかかりつけのように付き合えるのは、複数業種を自社で抱えている会社ならではの利点だろう。次に何か起きたときの相談先がすでにある、という状態は施主にとって心理的な安定につながっている。


