茅場町から徒歩6分、新川に構える設計の拠点
株式会社三誠エンジニアリングが拠点を置くのは、東京都中央区新川一丁目のアクロス新川ビル9階だ。最寄りは茅場町駅で、日比谷線と東西線のどちらからでも徒歩およそ6分と、都心のあちこちへ足を運びやすい。代表は春藤元宏氏。営業は平日8時50分から17時30分までで、土日祝や夏季・年末年始は休みとなっている。問い合わせは03-3527-3681で受けている。
街なかの一室に構えた拠点だが、そこで手がけているのは都市の安全を左右する仕事だ。派手な設備が並ぶわけではなく、机の上で数字と図面に向き合う地道な現場だ。オフィス街に建つビルの内側にも、この会社が組み上げた骨格が働いているのだと思うと、看板の小ささと仕事の重さのギャップに少し唸らされた。
手がけるのは、建物を立たせる骨組みの設計
株式会社三誠エンジニアリングの仕事は、建物の柱や梁といった骨組みを設計することにある。意匠設計で描かれたかたちを受け取り、その強度や安全性を検証しながら、使う構造材を決めていく。人目を引くデザインや間取りではなく、それを足元で成り立たせる構造を専門に担っている。地震の多い日本では、この土台が建物の寿命と人の命をそのまま握る。
扱う建物は、商業施設からオフィス、倉庫、ホテルまで幅広い。鉄筋コンクリート造も鉄骨造も対象になり、建材や規模、立地環境によって組み立て方は変わっていく。同じ建物が二つとない以上、案件ごとにゼロから頭を働かせる姿勢が欠かせない現場である。用途や規模が違えば優先すべき条件も入れ替わるため、前の案件のやり方をそのまま持ち込むわけにはいかない。
数字で裏づけ、釣り合いで仕上げる
構造設計は、勘や思い込みで進められる領域ではない。構造計算で建物にかかる力を数値に置き換え、図面確認で細部の整合を取り、安全性の検討で耐えられるかを一つずつ確かめていく。感覚に頼らず、具体的な根拠と数字で安全を証明していくのが、この会社の進め方だ。意匠設計を担う設計者との連携も日常的で、渡された意図を正しく汲み取り、言葉で返せるやり取りが検討の精度を支えている。
ただし、安全を満たす答えは一つに絞られない。複数のロジックの中から、コストや施工性、全体の釣り合いを見て最適な一手を選ぶ判断が要る。株式会社三誠エンジニアリングが「ロジックとセンスの両立」を掲げるのは、この選び方こそが骨組みの出来を決めるからだ。指示をこなすだけでなく自分で考えて決める余地が広いぶん、案件を重ねるほど設計者としての判断力が鍛えられていく。
長く働ける環境を、自前で組み立てる
この会社は、人が腰を据えて働ける形にも手を入れている。残業を抑えてオンとオフを切り替えやすくし、状況に応じて在宅勤務も選べるようにしている。仕事と家庭のどちらも成り立たせられる余地を、制度として実際に用意しているわけだ。学歴や性別、国籍で線を引かず、幅広い年代のスタッフが日本語で意思を交わしながら机を並べている。
構造設計一級建築士の有資格者を歓迎し、経験を積んだ人を求めているのも、判断の質が問われる仕事だからだ。時代や価値観が動けば設計に求められるものも変わるという前提のもと、変化を受け入れて視野を広げられる人と、この拠点で歩んでいる。都心の小さなオフィスから、都市に建つ建物の安全を足元で下支えする役割を、着実に果たし続けている会社である。


