目指すのは、建物でなく「場所」そのもの
建物さえ建てれば場所が完成するわけではない——株式会社SPROUTZ Studioの出発点には、この考え方があります。そこに集う人々の営みや地域とのつながりが重なって、はじめて価値のある「場所」が生まれるととらえています。だからこそ、空間と営みを一体で扱うプレイスデザインを掲げ、次の世代へ受け継がれる持続的な場所づくりを目標に据えています。「人々の日常に溶けこみ、永く愛される場所をつくる」という言葉が、その姿勢を短く言い表しています。
この思想の背景には、代表の浅子雄祐が北欧で学んだサステナブルデザインの考え方があります。スウェーデン王立工科大学で建築都市のサステナブルデザインに触れた経験が、完成の瞬間より、時間をかけて育っていく環境を重んじる設計へとつながっています。
用途が違えば、設計の入り口も変える
株式会社SPROUTZ Studioは、対象に応じて設計の考え方を切り替えます。住まいでは、住む人の現在の要望だけでなく、家族構成や時間の移り変わりまで見込み、暮らしに余白のある住まいを描きます。店舗や商業施設では、空間の見え方に加えて事業の個性や運営のあり方まで捉え、人が訪れ続ける場を組み立てます。地域や公共の場では、多様な人の使い方や地域との関わりを受け止め、活動やつながりが育つ設計へと向かいます。
どの用途にも共通するのは、長い時間軸で物事を見るという構えです。完成時の見栄えだけを狙わず、使われ続けながら変化し育っていく状態を思い描きます。正直、住まい・商業・公共でここまで入り口を分ける事務所は珍しく、設計の丁寧さが伝わってきた。
四つの指針が、日々の判断の物差しになる
株式会社SPROUTZ Studioが掲げる指針は明快です。暮らしや営みから考えること、場所がもともと持つ価値を読み解くこと、建築とインテリアを一体でとらえること、そして長い時間軸で判断すること。この四つが、案件ごとの選択を測るための物差しになっています。建築・家具・照明・素材・外部空間までをひとつの環境として整えるやり方も、この指針から生まれています。土地の履歴や周辺環境を丁寧に読み込む手つきが、株式会社SPROUTZ Studioの設計を下支えしています。
この指針は、抽象的な理想にとどまりません。建築・空間デザインと設計監理を中核に、拠点プロデュースやブランディング、事業開発、運営支援まで、実際のサービスとして形になっています。掲げた考え方と、日々こなす仕事の内容が、同じ方向を向いている点にこの事務所らしさがあります。


